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アレルギー性結膜炎を乗り切る

症状が改善しない理由

アレルギー性結膜炎の症状がなかなか良くならない原因として、ドライアイ、コンタクトレンズの装用、アトピー性皮膚炎などがあります。また、それらの原因の幾つかが重なっている場合もあります。

【ドライアイの人】

涙液の減少、あるいは質的な変化により眼の表面に障害を生じる疾患で、目の疲れ、目が乾くなどの症状があります。パソコンやテレビ、携帯電話などの利用による目の使いすぎ、エアコンによる目の乾き、コンタクトレンズの普及などが原因です。ドライアイとアレルギー性結膜炎の両方を治療する必要があります。

ドライアイの症状

目が疲れる、目が乾く、目がゴロゴロする、充血する、目が重たい、目が痛い、涙や目やにが多い、目に不快感がある、目がまぶしい、目を10秒以上開けていられない。

ドライアイの花粉症対策
  • 人工涙液を使用して花粉をこまめに洗い流す
  • ドライアイの治療を受ける

【コンタクトレンズを装用している人】

コンタクトレンズを入れると、レンズにより涙の循環が悪くなり、花粉が目の中に残りやすくなります。また、適切なレンズケアが行われていない場合、レンズが汚れて花粉などが付着しやすくなります。花粉が飛散している時期はコンタクトレンズの装用を控え、めがねを使うほうが望ましいでしょう。

コンタクトレンズ装用時の花粉症対策
  • 目のかゆみや充血などの症状が強い場合には、必ず眼科医に相談する
  • こまめなレンズケアで花粉や汚れを洗う
  • コンタクトレンズの装用時間を短くする
  • 1日使い捨てコンタクトレンズを使う

防腐剤が入っている点眼薬の場合は、コンタクトレンズをはずしてから点眼します。また、防腐剤がレンズに付着する恐れがあるため、点眼して10分以上経過してからコンタクトレンズを装用してください。

【アトピー性皮膚炎の人】

アトピー性皮膚炎でアレルギー性結膜炎がある場合、花粉などの抗原により目の周りの皮膚炎が悪化する恐れがあります。目の周りも目の中もかゆいため、強くこすったり、たたいたりしてしまうことがありますが、それを繰り返すことで他の目の病気になってしまう可能性があるので、アレルギー性結膜炎とアトピー性皮膚炎の治療を同時に行うことが大切です。

アトピー性皮膚炎に伴う目の病気
  • アトピー性眼瞼炎
  • アトピー性角結膜炎
  • 春季カタル
  • 円錐角膜
  • アトピー性白内障
  • アトピー性網膜剥離
  • 眼感染症(黄色ブドウ球菌やヘルペスウィルスの感染)

アレルギー性結膜炎の治療

点眼薬による治療

アレルギー性結膜炎の治療には、主に点眼薬を使用します。

【メディエーター遊離抑制薬】

肥満細胞からアレルギー症状を起こす物質(ヒスタミンなどのメディエーター)が出ないようにする。

【ヒスタミンH1受容体拮抗薬】

アレルギーを引き起こすヒスタミンが、血管や神経の受容体にくっつかないようにブロックし、目のかゆみや充血などが出ないようにする。メディエーター遊離抑制薬よりも早い効果が期待できる。

【ステロイド薬】

メディエーター遊離抑制薬やヒスタミンH1受容体拮抗薬で効果が見られない場合や重症例に使用する。副作用が見られることがあるので、必ず専門医の指示を守って点眼する。また使用中は定期的に眼科医の診察を受ける。

日常生活でのケア

花粉情報を有効に活用し、花粉が多く飛散する日は極力外出を避けます。どうしても外出が必要なときは、マスクやメガネでしっかり防御することが大切です。

【外出するとき】

  • マスク、メガネ、帽子を着用
  • マスクの内側に水で固く絞ったガーゼを挟む、メガネはゴーグル型がベスト、帽子はツバの広いもの
  • 花粉が付きやすいウールなどの衣類は避ける
  • 花粉を室内に持ち込まないように、よく払う
  • 帰宅後は、うがい、手洗い、洗顔、洗髪をする

【外出しないとき】

  • 窓やドアから花粉が侵入しないように開けっ放しにしない
  • こまめに掃除する
  • 洗濯物や寝具を外に干さない

【日常生活】

  • 規則正しい生活を心掛ける
  • じゅうぶんな睡眠をとる
  • 適度な運動をする
  • バランスの良い食事を摂る

目のかゆみをやわらげる方法

  • 冷たいタオルで冷やす
  • タオルを巻いた保冷剤で冷やす
  • 点眼薬をつける前に、人工涙液などで花粉を洗い流す
  • 水道水での洗眼を避ける(塩素の刺激を受けるため)
  • 市販の目洗浄カップ液での洗眼は避ける
    (目の周囲の花粉が目に入るため、また多くは防腐剤入り)